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11月30日、牧野に関する記事が共同通信から新聞各紙に配信されました。
以下は配信内容の転載です。
ダライ・ラマとマキノさん 政治家のひそやかな存在感
チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の存在感は圧倒的だ。
観世音菩薩の生まれ変わり。こんな教えを信じるか否かにかかわらず、初めて14世を前にした者の多くは気軽に言葉を発することができずに、いつの間にか合掌することになる。
真骨頂はその先。14世は満面の笑みと気さくな話しぶりで場の緊張を一瞬で溶解してみせる。世界中に熱狂的な信者、支持者を持つ14世の魅力には大抵のことには動じないはずの政治家も参ってしまう。
「ウェルカム!」
先月23日朝、都内のホテルの一室。講演活動のため来日していた14世との会談に臨む鳩山由紀夫民主党幹事長らの緊張感は、気のいいおじさんのような14世の挨拶で解きほぐされた。続けて14世が口にしたのは、その場にいた、ある人物への謝意だった。
「マキノさんは長い長い友人です。変わることのない支援をしてくださっています。マキノさんとともに皆さんにお目にかかれて大変幸せです」
「マキノさん」とは民主党の牧野聖修前衆院議員のこと。
「中学生時代、14世の亡命を伝える映画ニュースを見て衝撃を受けた」ことをきっかけにチベット問題に興味を持った牧野氏。1993年衆院選での初当選から間もない95年秋、五十嵐文彦前衆院議員らと超党派の「チベット問題を考える議員連盟」を立ち上げ、メジャーとは言えないチベット問題に取り組んできた。
中国軍のチベット制圧を受けた59年のインド亡命後、非暴力による独立運動を展開し、ノーベル平和賞も受けた14世を中国政府は「分裂主義者」と危険視している。チベット問題を「内政問題」とする日本政府は、14世の入国を認めるが、扱いは「一民間人」。かつては警備も無い中で、14世が入国審査の列に並ぶこともあった。
牧野氏は二度の落選期間中も、枝野幸男元政調会長に議連代表職を預ける一方、自民党の実力者の協力を得て、出入国時の待遇改善や警備体制充実に奔走してきた。
2001年夏には、小泉純一郎首相(当時)に14世の親書を届ける役目も果たした。中国政府から活動自粛を求められたこともあるが、牧野氏は事を荒立てることもなく地道な活動を続けてきた。それだけに14世の信頼も極めて厚い。
中国の手前、表立っては支援できない自民党の実力者の「代役」を果たすこともある。中国とインドの国境沿いに位置するチベットの地政学的な特殊性を考えれば、14世とのパイプは日本にとって宝だ。
14世に比べれば「ひそやかな存在感」だが、そんな政治家がたまにはいてもいい。
共同通信編集委員 柿崎明二
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