「ねじれ国会」により、国民に真実が明るみに
新しい年度となり、ガソリンの暫定税率の期限が切れ、ガソリンの値段が大きく下がった。1リットル140円台だった小売価格が、120円を切るまでになった。
他の物価が一斉に高騰している中、輸送費に直接影響するガソリン価格が安くなった事は、景気に少なからぬ効果をもたらすであろう。
マスコミの世論調査でも、国民の大多数がガソリンの暫定税率停止を歓迎している事が示されている。
これは、昨年の参議院選挙で民主党が大勝し、参院で与野党の勢力が逆転したからこそ可能になった出来事である。
昨年から話題の年金問題にしても、所謂「ねじれ国会」による成果と言える。政府は年金問題を隠そうとしていたのだが、民主党の国会における追及の結果、それらが明るみになったのだった。
このように、自民党の一元支配の時代には決してあり得なかった様々な変化が、多くの国民にとって目に見える形で現れてきている事は確かである。
そして今回の通常国会の前半戦においては、ガソリン税をめぐる審議を通じて、道路特定財源がいかに無駄遣いされていたか、垂れ流し財政の実態が具体的に明らかにされたのであった。
この道路特定財源こそ、過去数十年にわたる自民党の利権政治の象徴であり、政官業癒着構造の温床となってきた。これは、小泉改革でも手を付けなかった利権政治の「聖域」である。
自民党の一部からは、道路特定財源を一般財源に回さずに温存しつつ、道路以外の教育や福祉に充てよう、などという折衷案も飛び出したが、道路族の強硬な反対でそれも消えた。
予算案が通過せず土壇場に立たされた福田総理は、年度末ぎりぎりの3月27日に突如として「20年度歳入法案の年度内成立を条件に、道路特定財源を今年の税制改正時に廃止し21年度に一般財源化する」との提案をした。
しかしながら、これは予算成立を急ぎたいが為のカラ手形に過ぎず、同時に国民に向けた選挙用のパフォーマンスであることは明らかであった。
そもそも、与党内で調整が出来ないような提案を、野党が受け入れる道理など無い。自民党の中でさえ、実現は不可能、との冷ややかな空気が広がっているのである。
道路特定財源を一般財源に回すというテーマは、自民党のみならず国交省も解体して出直すしかないくらいの大問題であり、過去数十年来続いてきた「この国のかたち」を根本から造り直す事を意味する。ただし、それは是非とも実行しなければならない事である。
だがそれには、道路族議員を多数抱えている自民党政権では到底不可能である。「大連立」でも無理であろう。27日の福田発言は、所詮は絵に描いた餅でしかなかった。
政官業癒着構造を根本から解体するという歴史的偉業は、自民党を除く野党連立による政権を樹立する以外に、達成する方法は無い。
そのためにこそ、一刻も早い政権交代が必要なのである。
福田総理は、衆院の再可決によって暫定税率を元に戻すと明言しており、あと1カ月もすれば再びガソリン代は高値に戻ることになる。
その時に大多数の国民は、「ガソリンの値上げ分が、再び垂れ流し財政に使われるのか」と、生活実感を伴った怒りを政府に対して抱くようになるだろう。
そうなれば来月の5月には、福田総理への問責決議は避けられない。
さらにその5月には、中国の胡錦涛・国家主席が来日する予定である。チベット大虐殺の首謀者であり最高責任者である胡錦涛に対し、福田総理が満面の笑みを湛えながら握手をするようであれば、囂々たる国際的非難を浴びるのは確実である。
洞爺湖サミット開催前に福田総理に辞めてもらわなければ、サミット開催国としてのわが国の資質が問われる事になろう。
しかしながら、たとえ福田総理が辞めたとしても、自民党には、わが国のグランド・デザインを描ける人間は一人も見あたらない。
一方、民主党は、わが国が国連憲章、日本国憲法の枠組みの中で世界に対してどの様な役割が出来るのかを真摯に考えている。与党の様に現実を追認して米国に盲従するような事など、民主党であれば決してない。
私は、日本はEU諸国と連携して、国連改革の国際世論をつくるべきだと考える。
イラク戦争の様に米国の大義がない戦争に対しては、間違っている事は間違っているとはっきりと意見を唱える事が出来る国にならなければならない。
またチベット虐殺問題に際しても、中国に対し人道上の見地から毅然とした態度で抗議の出来る国にならなければならない。
このようにわが国が、国際政治の舞台において常に筋を通すことによって世界から尊敬される国になれば、強行採決で教育基本法を変えたりしなくても、誰もが自国に対して誇りを持ち愛国心を持てる国になれるであろう。
さらに、現在の日本の高い自殺率、ワーキング・プア問題、ネットカフェ難民などは、全て政府与党の経済政策の誤りが原因で起きている事である。全ては、財界や米国シンクタンクの言いなりになって政策を進めてきた結果である。
こうした事態を根本から是正するためにも、政権交代を実現するしかない。
政官業の癒着構造を断ち切り、真の改革を断行する事が出来るのは、現実的に民主党しかいないのである。
[2008.4.1]