まきの聖修 [民主党静岡第1区] 本文へジャンプ


毒入り餃子事件に思う



中国当局要人の発言の真意は


中国製冷凍ギョーザによる中毒事件について、中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は2月6日、訪中している日本政府調査団と北京市内で会談した際に「食品安全の問題ではなく人為的に行われた事件だ」とし故意の犯行との見方を中国当局者として初めて示した上で、「中国での製造過程で毒物が混入された可能性はきわめて低い」とし、「中日関係の発展を望まない極端な分子によって引き起こされた可能性がある」と述べた。それとともに、製造元の天洋食品には問題はなかったとの考えを示し、「日本の調査団も異状はなかったと言っている」と、中国側の安全性の高さを強調した。

また、同総局の王大寧輸出入食品安全局長は会談後、「魏副総局長が話したのは一つの可能性。極端分子は日本側かもしれないし中国側かもしれない」と釈明した。

いずれの発言においても「極端分子は日本側」と明言しなかった事から、中国当局が犯行は「中国側」によるものだと確信している事が明らかに見てとれる。日本側の可能性が僅かでもあるならば、中国当局は「日本側の責任」と明言するはずだからである。

ちなみにこの前日の5日、舛添要一厚生労働相は閣議後会見で、中国製ギョーザ中毒事件に絡む有機リン系殺虫剤「メタミドホス」の混入について、「製造工程の中で入ったというケースは見当たらないので、やはり犯罪性が、かなりあるのではないか。今までの状況証拠からみると、そう考えざるをえないと思っている」と述べ、さらに「犯罪で、テロのような形で入ったのであれば、考えるべき対策は別にある。冷静な対策をたてるためにも、きちんとした原因究明が最優先される」と語っており、丁度、この桝添発言を受けて中国側の政府要人が発言した形である。



中国国内で頻発する食品テロ


実際、この数年間、中国国内では食品テロが多発している。

2003年8月、安徽省阜陽市で即席麺による中毒事件が発生し、幼稚園児1人が死亡、小学生1人幼稚園児1人が入院した。この事件では、製造過程で殺鼠剤が混入したことが原因と見られている。

2004年5月には湖南省岳陽市で中学生25人が即席麺が原因の腹痛で入院している。

2006年年10月にも、広西チワン族自治区百色市で小学生 31人が入院する事件が発生した。

また2007年10月には、同僚との喧嘩に逆ギレした食堂スタッフが、腹いせに食事に毒物を投与するという事件が発生した。病院のスタッフ・患者・患者の親族ら42人が中毒症状を起こした。

さらに2007年12月には、猛毒殺鼠剤を用いた中国即席麺小学生毒殺事件が発生した。猛毒殺鼠剤は即席麺のラードに混入されていた。

中国では人間が即死する殺鼠剤が至る所に置かれている。食品製造現場でも例外ではなく、むしろそういう場所だからこそ殺鼠剤が必要だとされている。

また、猛毒を含んだ農薬の類も、農家であればどの家庭にもある。

中国において食品テロは日常茶飯事の出来事なのである。



今こそ食料安保の議論を


世界中が「グローバル化」に向かう中、今や中国もその潮流の中で大国化を目指している。
そうして国内の格差拡大に伴い、中国当局は様々な社会矛盾に直面している。

中国が抱えている大きな問題の1つに、失業問題がある。

改革開放と言いながら、建前としてはあくまで社会主義で失業問題など存在しないことになっている為、中国国内では現実の失業に対する救済政策がとられていない。また、資本主義社会のように労働組合なども存在せず、不当に解雇された労働者が企業を相手に訴訟に持ち込む事も困難である。

今や中国は、かつて中国共産党が敵視していた「資本主義」や「帝国主義」よりも遙かに労働者を搾取する体制になっているのである。

合法的に訴える手段の無い労働者や失業者の存在。食品テロが頻発する背景には、こうした国内事情が存在する。

先日の天洋食品の記者会見でも、「昨年末に140人もの従業員を解雇した問題が関係しているのでは」との質問が飛んでいた。

中国当局が、中国国内で今回の毒入りギョーザ事件の報道ついて規制をかけているのも、体制の行き詰まりを隠蔽する体質の表れと見てよい。

翻ってわが日本の問題としては、食料安全保障の対策を立てなければならない。

中国のあらゆる食品が危険ということになれば、いずれ政府としても中国製食料品の禁輸措置をとらざるを得なくなるだろう。そうした場合、中国からの食料輸入がストップした際に、果たして日本国内の食料は確保できるかどうかという問題がある。

わが国の食料自給率は先進国最低の38パーセントであるが、本格的に自給率を向上させる政策が求められる。

今回の事件が、わが国の食料安保を本格的に議論する契機となることを願ってやまない。