まきの聖修 [民主党静岡第1区] 本文へジャンプ

的外れな施政方針演説



崩壊する世界経済


去る1月18日、通常国会が召集され、福田首相の施政方針演説が行われた。

「今年は『生活者や消費者が主役となる社会』へのスタートの年」と位置づけた上、消費者行政を一元的に進める為に強い権限を持つ新組織(消費者庁)を発足させる考えが表明された。

相次いだ食品表示偽装問題がきっかけとなって「消費者庁」なるものを作ろうという事だが、マスコミ受けを狙った人気取り政策でしかない。

相変わらず危機意識の欠如した能天気な施政方針演説の内容に唖然とせざるを得ない。そこには国家として進むべき道も国難を乗り切る為の対応策も述べられてはいなかった。

当然のように、小泉改革の失敗に対する反省や弁明は一言も無かった。

1月21日には、日経平均株価は1万3千円を割り込んだ。1万7千円台をつけていた昨年に比べて約3割もの下落である。

もともと日経平均は、アメリカのNYダウと連動して推移する為、アメリカの株が上げれば日本の株も上げ、アメリカの株が下げれば日本の株も下がるようになっている。

2005年以降の日本株の上昇は、アメリカの住宅ローン政策によるバブル景気に連動して上げていただけである。

その為、小泉改革の失政にもかかわらず日経平均株価は続伸し、あたかも小泉改革のおかげで景気が回復したかのような錯覚を人々にもたらした。

しかしながら昨秋、そのバブルの根源たるアメリカのサブプライムローンが破綻した結果、一気に日経平均は1万7千円台から1万2千円台へと下落した。これは当然の成り行きである。

もともと日本の株が上げる要素など無かったにもかかわらず、外国人投資家によって吊り上げられていただけであるから、外国人投資家が資金を引き揚げれば下がるのは火を見るよりも明らかである。

日本経済のファンダメンタルズはとっくに崩壊していたにもかかわらず、この数年間、小泉や竹中らは「経済は上向き」などという大本営発表ばかりを繰り返し、一方でその大嘘を覆い隠すかのように日銀の公定歩合引き上げには反対し続けてきた。その結果、ゼロ金利が据え置かれた為、今回のような経済危機に際して利下げによる対策すら為す術が無くなっているのが現状である。



「グローバル化」を推進してきた責任について


サブプライムローン問題の収拾には数年を要することから、今年中に日経平均の1万円割れは確実視されている。また、8千円という声も出ている。

これは、「グローバル化」を推進してきた必然的帰結なのである。

アメリカのサブプライムローン問題は、日本にとって「対岸の火事」ではあり得ない。グローバル化とは、すなわち「世界がボーダレスになる」ということである。

グローバル化した社会においては、アメリカのバブル崩壊はそのまま日本経済を直撃する。これがグローバル化の恐ろしさである。

こうした状況にもかかわらず、大田弘子経済財政担当相は、「(株価下落は)アメリカ発の事なので日本としてはどうしようもない」などと無責任な発言を繰り返している。

まるで別の惑星の出来事であるかのような言い方である。一体この人は「グローバル化」の意味が分かっているのだろうか、と不思議に思う。

今、政府が為すべき事は、マスコミに迎合して「消費者庁」を作る事よりも、まずはボーダレス化した世界経済に処してゆく為の常設の対策機関の設立こそ急務であろう。後先考えずに「グローバル化」を推進してきた以上、その責任は政府がきちんと取らなければならないのである。

今や日本の1人あたりのGDPは世界18位である。わずか20年足らずの間に1位から18位まで転落したことになる。

一方、他のアジア諸国は、中国にせよインドにせよ経済が好調である。

かつて"Japan Bashing"と言われていたが、この10年で"Japan Passing"となり、今や"Japan Nothing"と言われている。

株価が下落し、企業はどんどん国際競争力を失っている。こうした日本の国際競争力の低下は、そのまま日本国民の生活に影響する。今や年収200万円以下の低所得者層は1千万人を超えているのである。

このような状況の中で、政府は「内向き」で外を全く向いていない。施政方針演説に端的に示されたように、政府が危機意識すらもっていないことが大問題なのである。



[2008.1.25]