牧野聖修 [民主党静岡第1区] 本文へジャンプ

官僚支配に終止符を



 参院選を受けた第167臨時国会が8月7日に召集され、参院本会議で、議長に民主党の江田五月氏、参院議院運営委員長には民主党の西岡武夫氏が選ばれた。1955年の保守合同以来、野党から参院議長が選出されたのは初めてである。

 今回の参院選は、後に振り返った時、必ずや歴史の転換点と位置づけられるに違いない。

 今後わが党としては、政府与党との本格的な対決姿勢を強め、参院発の議員立法を続々と可決させて衆院に送り付けたり、参院で問責決議案を可決させて政府に圧力をかけるなどの戦術を駆使して、着実に政権獲得への布石を打ってゆくことになる。

 そしてそれと並行して、参議院で獲得した「国政調査権」を用いて、国家の闇の部分を白日の下に晒してゆくといった地道な作業を進める必要がある。

 参議院において民主党が第一党となった為、自民党の支配下で半世紀以上にわたって封印されてきた「国家の闇」を悉く明るみに出す事が可能になったのである。こうした事が可能になったのは、戦後史において初めての事である。

 この作業は派手さは無いけれども、影響はボディブローのように後から大きく効いてくるであろう。

 かつてソ連崩壊をもたらしたのは、「ペレストロイカ(改革)」よりもむしろ「グラスノスチ(情報公開)」であったと言われる。

 ゴルバチョフが断行したグラスノスチによって、スターリン時代の圧政をはじめソ連の闇の歴史が白日の下に晒された結果、国民の国家観が根底から覆り、僅か数年の内に雪崩を打つが如くソ連は解体していったのである。

 わが国の「1940年体制」と呼ばれる官僚支配体制も同様である。

 社保庁や年金の実態が国民に明らかにされただけでも、国政にあれほど大きな変化が起きたのである。

 今後わが党が徹底的な国政調査を通じて、わが国の官僚制度や財政の真の実態を国民の前に明らかに示すならば、短期間の内に戦後体制は音を立てて崩れて去るであろう。

 とりわけ31個の「特別会計」については、徹底して究明されなければならない。

 2006年度当初予算においては、特別会計の歳出額は約460兆円となっている。これは単純に各会計を足した総額であり、他の会計との重複を除いた純計額は約225兆円である。これは国家予算の約3倍、国債残高の約4分の1に相当する。

 本来、財政には「単一予算主義の原則」がある。これは、国・地方公共団体の会計について、すべての歳入・歳出などを単一の会計で経理する原則をいう。

 単一予算主義の原則は世界中の国家において財政の常識である。この原則を外すと、国会の承認を得ない財政が行われ、民主主義の原則に反することになり、また不正な公金横領・着服の温床となってしまう為である。

 官僚はこれまで「公開は国益に反する」等々の理由を付けて隠し続け、やりたい放題にしてきたが、最早これ以上は出来なくなるであろう。

 官僚には全ての関係書類を提出させ、不明な点などは官僚達を参議院の場で証人喚問して証言させれば良い。もし国会で偽証した場合は、刑事訴追されることになっている。

 少なくとも次の参院選までの3年間は、わが党はこうした国政調査権を存分に活用する事が出来るのである。

 国民に知らしめるべきは、国家の真実の姿である。そうして国民の前に国家のありのままの実態が明るみにされた時、本当に時代が変わるものと信じている。




註:国政調査権とは

 国政調査権とは、国政に関して調査を行う議院に与えられた権能で、各議院(衆議院と参議院)が別個に独立して行使する権利である。委員会中心主義により、各議院の委員会を通じて行使される。国政調査権の根拠となる法律は下記のとおりである。

日本国憲法第62条
「両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」

国会法第104条
「各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない」

議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(議院証言法)


[2007.8.1]