北京オリンピックのボイコットを!

第3回

国際法を蹂躙している国に、
国連常任理事国の資格はあるのか





 国際法では、民族や宗教を抹殺する目的での集団殺害が禁止されている。
 1948年の第三回国連総会で全会一致で採択された「ジェノサイド条約」は、以下の権利と義務を規定している。


「ジェノサイド条約」

第1条  締約国の義務
締約国は、集団殺害が平時に行われるか戦時に行われるかを問わず、国際法上の犯罪であることを確認し、これを防止し、処罰することを約束する。

第2条  ジェノサイドの定義
この条約では、集団殺害とは、国民的、人種的、民族的又は宗教的集団を全部又は一部破壊する意図をもつて行われた次の行為のいずれをも意味する。

(a) 集団構成員を殺すこと。
(b) 集団構成員に対して重大な肉体的又は精神的な危害を加えること。
(c) 全部又は一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を集団に対して故意に課すること。
(d) 集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること。
(e) 集団の児童を他の集団に強制的に移すこと。

第3条  処罰する行為
次の行為は、処罰する。

(a) 集団殺害 (ジェノサイド)
(b) 集団殺害を犯すための共同謀議
(c) 集団殺害を犯すことの直接且つ公然の教唆
(d) 集団殺害の未遂
(e) 集団殺害の共犯

[以下略]


 なお、国際司法裁判所は、ボスニア内戦に絡む1996年の「ジェノサイド条約の適用に関する事件」判決において、ジェノサイド条約によって承認された権利と義務が、ジェノサイド条約という枠組みを超えて、対世的な権利と義務であると認定した。かつ、同裁判所は、2006年の「コンゴ民主共和国領における武力行動事件」判決において、ジェノサイドの禁止が強行規範の性質を有すると認定した。

 これらにより、ジェノサイド条約で規定されているジェノサイドの定義、およびその行為を禁止し、処罰する個人及び国家の義務は、条約を超えて一般国際法上の義務となったと見なされている。

 また、1998年には、重大犯罪について責任ある個人を訴追・処罰する常設の国際刑事裁判所(ICC)がオランダのハーグに設置された。国際司法裁判所の対象が国家であるのに対し、国際刑事裁判所は個人が対象となる。

 なお、これまでに国連でジェノサイドに当ると認定された行為は、ナチスのユダヤ人に対するホロコースト(600万人)、1994年春にルワンダで行われた虐殺(80万人)、1995年夏にボスニア内戦でセルビア人によるスレブレニカにおける虐殺(7千人)がある。

 ちなみに、過去50年間に中国当局が虐殺したチベット人の数は120万人にも上っている。ルワンダやスレブレニカの比ではない。

 それにもかかわらず、中国が国連で拒否権を有する常任理事国であるが故に、チベット虐殺はジェノサイド(民族虐殺)の認定もされないでいるのが現状である。

 しかも、現在進行中の虐殺であるダルフール紛争におけるジェノサイドについては、米英は国連軍の派遣を主張しているが、中国が拒否権を発動している為、ジェノサイドとの認定が国連で為されず、国連としての強制力が適用されないまま、なおも虐殺が続けられている。

 こんな国に、そもそも国連常任理事国の資格があるのだろうか?

 福田内閣は相変わらず朝貢外交に徹しているが、凶悪非道な隣国に対して、わが国は何らかの制裁行動をすべきではないのか?

 何も、軍事的に事を構えよ、などとは言わない。

 だが、せめて北京五輪のボイコットなら十分可能なはずである。

 政治的には存在感の無いわが国が、今後世界から尊敬される国家になる為にも、北京五輪はボイコットしなければならない。

 中国寄りにシフトしつつある米国はさておき、いくつかのヨーロッパ諸国は必ず共鳴してくれるであろう。

 たまには日本が国際的な舞台で率先してリーダーシップを取っても良いのではないか。

 まずは、今年5月に予定されている胡錦涛の訪日を断固拒否すべきである。

 胡錦涛は、本来であれば国際刑事裁判所において裁かれるべき犯罪人なのである。

 もしチベット虐殺が継続している状態において、日本政府が胡錦涛の訪日を許し、福田総理が国際犯罪人の胡錦涛と握手を交わすならば、今後わが国は激しい国際的非難に晒される事を覚悟しなければならないであろう。

                             [2008.3.30]