Top Page



 理事長プロフィール





FMラジオ番組
「まきの聖修の、出せ静岡の底力」













中国当局による民間人の生体解剖と臓器狩り


─── 「大国」の名に値しない国家的蛮行の実態 


[2017.12.13]




中国SNS「微博」上に投稿された陶秀麗さんの生前の写真


9歳女児が誘拐され、臓器が抜き取られる

 先月下旬、中国湖北省黄梅県において、9歳の女児が誘拐され死亡した事件が起きた。女児の遺体からは臓器が全部抜き取られていたという。

 小学校3年の陶秀麗さん(9歳)は、11月25日、黄梅県沙嶺村にある自宅前から突然行方不明になった。家族は不審者に連れ去れたと考え、自宅の周辺で捜したが発見できず、地元の警察当局に通報した。

 3日後、警察関係者は家族に対して、「容疑者が見つかった」「秀麗ちゃんは殺害された」と伝えた。また事件について「容疑者は自動車を運転中、秀麗ちゃんを轢いてしまった。責任を追及されるのを恐れ、秀麗ちゃんを殺害した」と説明した。

 中国の反体制紙「大紀元」によると、陶秀麗さんの父親は、中国当局の説明が村人の目撃情報と辻褄が合わないとして疑問を持っているという。

「村人の目撃情報によると、秀麗は自宅前で男性と話していたというのに、なぜ交通事故に遭ってしまうのか」「もし自動車事故なら、相手が保険に入っていれば賠償金をカバーできる。なぜわざわざ殺さなければならないのか?」等々、当局の説明に多くの不信感を抱いている。しかしながら、「第三者による司法解剖を行っても、当局に鎮圧されるだけだ」と諦めているという。

 また被害者の母親は、「臓器が誰に移植されたのか知りたい!」「殺した人は捕まったが、臓器を取った人は誰なのか? 明らかに黒幕がいるのに!」とSNSの「微博」にその怒りを書き込んでいる。


武漢の大学生連続失踪事件と臓器売買との関連

 実は中国においてこの種の事件は、2000年以降頻繁に発生している。

 しかしながら、いずれも闇から闇へと葬られ、中国国内はもとより、日本国内でもメディアで報じられる事が全く無い為、実情はほとんど知られていない。

 今年の9月27日、「32人の大学生が武漢で謎の連続失踪」という文章が中国のインターネット上に掲載された。

 そこには2011年から武漢市で32人の大学生が立て続けに失踪している事実や、行方不明者の氏名、年齢、身長、失踪日、当時の状況、家族の連絡先などが詳細に記されていた。失踪者の家族がこれらの情報を公開したということである。

 しかし、翌日にはこれらの文章は全て当局から削除され、国営メディア新華網の記事は「全くのデマ」と事件を全面否定した。同時に、記事を作成した同市在住の人物は拘束されたという。


現在も行方不明の大学生達 (失踪者家族が作成したポスター)


 あるネットユーザーはこの連続失踪事件の不可解さに疑問を呈している。

「一連の大学生失踪事件は、一見したところなんの関連性もないように見えるが、実は恐ろしい共通点が隠されている。ほとんどが20代前半で、ほぼ全員が大学生で、失踪前に何かを案じていたという点も共通している。一人で出奔し、なにか目的を持っており、親しい人にすら行き先を告げていないことも同じ。他所の地域の人間がわざわざ武漢を訪れ、到着したその日に姿をくらます。これらすべてを偶然の一致として片付けられるだろうか?」

 米国のラジオ番組「希望の声」の中で、時事評論家ジェーセン博士は、「この事件をよく考えると本当に恐ろしいことだ。若くて健康な大学生の失踪は、中国で最も短絡に巨額な利益が得られる人体臓器売買の裏市場と関連していると推測される。この事件の裏には、巨大な勢力と厖大な経済利益が絡んでいるだろう」と指摘した。

 米国在住の時事評論家横河氏は、 「大学入学時に、入学手続きの一環として必ず採血を含む健康診断を行うため、中国では、収監された囚人以外、大人数で生体データが採られているのは大学生だ。そのデータを入手できれば、臓器のためにオンデマンド殺人(需要に応じた殺人)が十分にありうる」と指摘した。

 中国の臓器移植の件数は2000年に入ってから急増しているにも関わらず、中国当局はその出処を明らかにしていない。

 そのため、国家ぐるみで政治犯、法輪功学習者、ウイグル人などから臓器を摘出・転売しているという疑惑は根強い。

 これに対して中国政府は、疑惑を表明する国民を一方的に拘束するのみで、現在に至ってもまともな反論をしていない。


中国の刑務所で生きた人から臓器摘出

 2006年、米国に亡命した中国人ジャーナリストの証言により、中国瀋陽市の遼寧省血栓中西医結合医院(住所:瀋陽市蘇家屯区雪松路49号)の地下に存在する秘密刑務所において、数千人の法輪功学習者が監禁されており、その大半が中共当局によって殺害され、転売目的で臓器を摘出され、死体は所内の焼却炉で焼かれている、という事実が明らかにされた。

 その後、当該病院に勤めていた内部関係者の女性が、反体制紙「大紀元」の取材に応じ、数多くの生きた法輪功学習者から大量の臓器摘出が行なわれていた実態を暴露したことにより、事実関係はほぼ確定したと言える。

 当該病院は1988年12月に設立された国家専門病院で、遼寧省中医学院の教育医院でもあり、敷地面積は約2万1千平方メートル、建築面積は約1万8千メートルあるという。診療目的の施設というよりは、むしろ研究目的の大学病院のような機関である。

 上記の元病院職員の証言者によると、臓器を摘出する秘密刑務所は2001年から運営し始め、当時すでに6千人以上の法輪功学習者が監禁されていたが、その内の4分の3の人々はすでに腎臓、肝臓、角膜などを摘出された後に死亡したという。

 また、ほとんどの人は逮捕状もなく違法収監され、多くの人は名前や、身分すら判明していない。法輪功学習者の多くは、生きたまま強制的に臓器を摘出され、そしてボイラーで改造された院内の焼却炉で焼却処分されるという。

 ちなみに現在でも約2千人の法輪功学習者が監禁されているということである。

 以下に、中国の反体制紙「大紀元」による取材内容の全文を掲載する(「大紀元」より転載)。


(問:記者 答:証言者)

 問:  当病院の医療スタッフは全員秘密刑務所の存在を知っていますか?

 答:  この病院では極一部の官僚と医者が臓器を摘出する手術に関与しています。ほかのスタッフの中では一部の人は内幕を知っていますが、皆身の安全を心配し、厄介事を引き起こすのを恐れて、堅く口を閉ざしています。非常に信頼されている医者だけが臓器摘出の執刀医に選ばれます。

 問:  臓器が摘出された法輪功学習者は生きていましたか? 彼らの家族は事実を知らされましたか?

 答:  この秘密刑務所に監禁されている法輪功学習者は大部分瀋陽の大北監獄や、馬三家労働教養所とほかの刑務所から転送されてきました。公園や民宅で逮捕された法輪功学習者もいました。彼らは法輪功の修煉を放棄しないため、正式な令状なしで逮捕され、そして、彼らの家族は彼らの状況を知されませんでした。中の多くは、[記録に残る]名前さえありませんでした。また、中共政権内部では法輪功学習者を「殴り殺しても、責任がない」との政策が通達されていますので、法輪功学習者の死亡は刑務所側にとって重要なことではありません。臓器摘出に関与した医療スタッフには、これらの法輪功学習者が殺人やその他の犯罪を起こし、死刑判決を受けた人か、または修練が魔道に入り、瀕死状態になった人等と聞かされています。

生きたままの人から摘出した臓器は死体から摘出した臓器より遥かに価値があります。多くの法輪功学習者は臓器が摘出されている時まだ息が止まっていませんでした。中には、摘出された後直接焼却炉に入れられて火葬され、すべての痕跡が消された事例もあります。また、臓器を摘出した後、切り口を完全に縫合し直してから、その家族または代理人に火葬するための署名をさせたという例もあります、だれもが臓器が盗まれたことに気づいていませんでした。

 一部の法輪功学習者は、健常者だったが、精神薬物などを注射され、精神状態が異常に陥り、それでも秘密刑務所で迫害を受け続け、最後には臓器を摘出された上火葬されました。

 収監された人は二度と生きたままに出ることがありません。2001年当初から監禁されてきた約6千人のうち、4分の3の人が、すでに心臓や腎臓、角膜、皮膚などを摘出された後、体を焼却処分されました。私の知る限りでは、いまだに約2千人の法輪功学習者が収監されています。中共政権は証拠を隠滅するために、すぐに彼らを殺害するのではと心配しています。

 問:  あなたはどうやってこの内幕を知りましたか? ご自身が臓器摘出に関与したのですか?

 答:  私は遼寧省血栓中西医結合医院に勤めていました。そこは秘密刑務所の設立場所です。直系親族の中には、臓器の摘出手術に参与した人がいます。このことは私たちの家庭に巨大な苦痛をもたらしました。

 問:  あなたが知っている全ての事実を語ってもらえますか?

 答:  2001年から、遼寧省血栓中西医結合医院で法輪功学習者は監禁され始めました。最初は、病院の裏庭にある一階建ての部屋に収容されていました。後にその部屋が取り壊され、法輪功学習者の姿が消えました。多くの病院スタッフの間では、彼らは病院にある巨大な地下施設に秘密転移されたとの噂が流れていました。

 当時、病院総務課の仕入れ担当は、購入する食材や、手術手袋などの医療備品と日常生活用品の量が急激に増加したと漏らし、関係者が当時の仕入れ規模から試算した結果、少なくとも6千人以上が監禁されているといっていました。

 これらの法輪功学習者は病院の4階建ての入院部や、診療部などの公の施設には収容されていないため、医療関係者は彼らの姿を見かけることはほとんどありません。たまに1階で検査を受ける法輪功学習者を目撃したことはありますが、皆非常に衰弱し、移動ベッドで運ばれていた。あるスタッフは病院の高層部になぜこんなに大量の食材や、医療備品、日常用品などを仕入れるのか、どこにそういう人を監禁しているかと聞きましたが、「あなたたちは自分の本職を全うすればよい、ほかのことに関心を持つ必要がない」と返されました。

 2001年から私の家族は臓器を摘出する手術に参与し始めました。最初家族はこのことを隠していました。病院側は各方面において非常に信頼している医者にこの秘密手術を執刀させました。次第に私は家族が非常に苦しんでいることに気づき始め、その家族は頻繁に悪夢を見るようになり、パニック状態に陥っていました。再三問い詰めた結果、家族は2001年から病院上層部の要求で法輪功学習者から臓器を摘出する手術に参与ししたと告げました。そのときはすでに2003年でした。数年間の間に、このような臓器摘出に関与し続けたため、家族は耐え難い苦しみに見舞われ、精神状態が限界に達し、これ以上この病院に留まりこの罪悪な仕事を続けることが不可能と判断し、逃避するため中国から脱出することにしました。

 家族は私に、「あなたは私の苦しみをわかりません。これらの法輪功学習者はまだ生きていたのです、死人の体から臓器を摘出するならともかく、これらの人たちは生きていたのです」と話しました。

 問:  この病院で他の医師も法輪功学習者から臓器を摘出する手術に参与しましたか?

 答:  私が知る限り別の医師も参与しています。このことはすべて極秘に進行しています。参与した多くの医師が別の病院から他の病院から転勤してきた実習医師でした。法輪功学習者の命は政府から保障されず、まったく重視されていないため、彼らの体は実習生の実験台にもされていました。

 この病院の人事異動は非常に頻繁でした。臓器摘出に参与した医師の多くは、耐え難い苦痛に遭い、転勤を要求する人が続出しました。名前を変え、姿をくらました人もいます。証拠隠滅のために殺された人もいるかもしれません、彼らのアイデンティティ・ファイルは病院のファイリングシステムから移され、あるいは、彼らの名前は変わりました。誰も、これらの医師がどこに行ったか、わかりません。

 病院の関係者は皆裏庭が監視地域であり、踏み入れてはならないと了解しています。この話題も避けられています。


 問:  その病院に専用の死体焼却炉が設けられ、臓器を摘出された後、まだ生きてる人が焼却されるということを聞いていますが。

 答:  私たち病院のスタッフはそこを「死体焼却炉」と称していますが、実は元々はボイラー室でした。付近の農村から貧しい農民を雇い、働かせています。最初に来たときには農民たちは何も持っていませんでしたが、しばらく勤めると、腕時計や、指輪,ネックレスなどを結構貯めました。臓器が摘出され、焼却される法輪功学習者の体から盗ったものだというように病院スタッフの間で言われています。ボイラーに投げ込まれるとき、一部の人はまだ生きていた、と病院のスタッフは言っていました。

 問:  臓器摘出手術をする際に麻酔薬を打ちますか?

 答:  麻酔薬を打ちます。ただし中国の病院では麻酔薬の供給量が制限されています。病院の規模と入院患者の人数分しか供給されません。この病院では実際公に公表された患者が少ないし、手術の記録も少ないのだが、手術用の関連備品と設備の消耗が非常に多かったのです。麻酔薬の供給量が制限されているので、臓器摘出のような秘密手術は正規な麻酔薬供給を受けられません。そのため法輪功学習者から臓器を摘出する際に、麻酔薬を節約するために投与量が非常に少ないです。しかし、手術中の法輪功学習者は皆生きているのです、彼らがどれだけの苦痛に耐えるかは想像できます。

 問:  2001年当初監禁されていた6千人の法輪功学習者は、現在生存していますか?

 答:  彼らは生きたまま秘密刑務所から出ることがありません。人数はますます少なくなっています。しかし、法輪功学習者から臓器を摘出する罪悪は今でも継続しているはずです。

 問:  摘出した臓器はどこに販売するのですか? 中共政権の高層部はこの事実を把握していますか?

 答:  主にタイに売り出されます。恐らく別の国にも。今中国では皮膚や、角膜、腎臓移植が必要する患者が非常に多く、多くの人は順番を待っています。腎臓一個は3万ドルから10万ドルの値段で販売され、莫大な利益が生じます。この経済利益を得たのはこの病院高層部と中共医療界の高官だけではありません。これは国家犯罪です、中共の高官から医者、臓器売買のブローカーなどが皆集団関与し、利益を獲得しています。

 問:  どうして法輪功学習者が臓器摘出の対象にされたと思いますか?

 答:  多くの法輪功学習者が秘密逮捕されたため、家族は全く彼らの行方を知りません。死んでも遺体を受け取る人がいないからです。

 問:  あなたがこの事実を暴露する理由は何ですか? あなたに危険が及ぶ可能性が高いはずですが。

 答:  私の知る限り、この秘密刑務所では今でも法輪功学習者を監禁しています。この事実を国際社会に暴露し、彼らの命を救うことができたらと願っています。また、真相を明かすことによって、少しでも家族の罪を償いたいと思っています。私は法輪功学習者ではありませんが、この病院の元スタッフとして、この事を暴露する責任があります。国際社会の力で、まだ生存している法輪功学習者を早く救い出してもらいたいです。社会がこの罪悪な出来事に関心を示し、一刻も早くこの驚くべき犯罪を阻止することを願っています。



明らかになる国家ぐるみの「臓器狩り」の実態

 2006年、瀋陽の老軍医が中国反体制紙「大紀元」に対し、遼寧省瀋陽市蘇家屯に秘密の収容所が存在し、東北などから連行されてきた約6000人の法輪功学習者が拘禁されていると告発した。

 この収容所には多くの軍医や医療関係者が出入りしているほか、遺体を焼却する焼却炉もあり、学習者がここで生きたまま臓器を摘出されていると証言した。このような収容所が中国全土で36か所あるという。

 また、カナダの人権派弁護士デービッド・マタス氏とカナダ外務省前アジア大洋州局長デービッド・キルガー氏は、中国の法輪功学習者に対する生体臓器摘出に関する調査報告書を作成している。

 同報告書によると、2000年から2005年の6年間に中国では6万例の臓器移植手術が行われており、その中の4万1500例は臓器の出所が不明であるという。報告には中国の法輪功学習者から生体臓器摘出された臓器が移植手術に使用されたという52種類の証拠や証明が記載されている。

 中国共産党は銃殺による死刑を執行してきたが、今は薬物注射による執行方法に変えている。実は、薬物注射にした本当の目的は、人を死に至らしめるためではなく、身体を麻痺させ、生きまま臓器を摘出するためであるとマタス氏は指摘している。

 法輪功迫害追跡国際組織の報告によると、1999年に中国共産党の法輪功迫害が開始された後、2000年から中国の軍隊病院で、通常の数を超える臓器移植手術や、臓器提供者からの提供数が不思議なほど多くなったという現象が現れた。

 中央軍事委員会直轄の軍病院や各軍区の病院、海軍41、空軍42や解放軍第二砲兵総病院42など各兵種の病院および武装警察病院も例外なく、積極的に臓器移植手術を展開しているという。

 その中でも解放軍総病院(01病院)は泌尿外科の3分の2に近い医師が腎臓移植手術に従事しており、2005年までに2000例あまりの腎臓移植手術を行っている。

 解放軍総参謀部総病院(解放軍309病院)は2002年4月に、泌尿外科を統合して「全軍器官移植センター」を立ち上げた。センター成立時に、同病院ではすでに1000例あまりの腎臓移植手術を行っていた。一晩に12例の移植手術を行ったこともあり、ここ数年で腎臓移植は2300例余り、肝臓移植は370例余りを行っているという。


「臓器狩り」の現場の1つである解放軍病院304医院


 中国当局による「臓器狩り」という重大な非人道的行為について、日本政府は中国当局に対し厳重に抗議すべきである。

 「人道に対する犯罪」が明白な場合は、国際社会による介入が認められるというのが、現代の国際社会のルールである(=普遍的管轄権)。

 もし我が国が、目先の外交的安定だけの為に、隣国の国家的蛮行を見て見ぬ振りをし続けた場合、後の世代の人々や後世の歴史家からどれだけ非難されるかを考えてみれば良い。

 元病院職員の女性が命懸けで証言した「国際社会の力で、まだ生存している法輪功学習者を早く救い出してもらいたい」という言葉を、重く受け止めるべきであろう。











《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




 定款(PDFファイル)




《連絡先

一般財団法人
人権財団本部
〒100-0014
東京都千代田区永田町2-9-6
十全ビル 306号
TEL: 03-5501-3413