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FMラジオ番組
「まきの聖修の、出せ静岡の底力」













英国のEU離脱は文明転換の始まり


─ グローバリズムに対する民衆の反乱 ─


[2016.6.26]




PHOTO(C)REUTERS
EU離脱派勝利を喜ぶ英国民



 6月23日、英国は国民投票によってEUからの離脱を決定した。

 欧州版グローバリズムに対して、英国民は「NO!」を突きつけたのである。

「EUから英国を取り戻せ」という離脱派のスローガンは、「自己決定権を取り戻せ」を意味する。

 一般国民が選んだわけでもない訳の分からないEU官僚達が、勝手にEUのルールを作り、EU加盟国に数多くの負担を押し付けてきた。それら理不尽な負担は、そのまま国民の負担となり、国民の生活を直撃していた。

 国民投票で離脱派が勝利したのは、当然の帰結であったと言える。

 またそれは同時に、英国内の富裕層に対する民衆の反乱でもあった。

 EUへの残留を望んでいたのは、英国内の富裕層やエリート層であるが、EU残留を訴えていたキャメロン首相が、タックスヘイブンに自分の資産を避難させていたことも、火に油を注ぐ形になった。国民に税負担を要求している行政府の長が、隠れて脱税していたのだから、民衆の怒りは収まらないであろう。

 離脱派の闘いは、単なる「EU 対 英国」といった図式ではなく、グローバリズムによって恩恵を受けてきた富裕層から、富と「自己決定権」を取り戻そうとする民衆の闘争でもあったのである。

 グローバリズムに対するこうした民衆の異議申し立ては、英国のみならず、世界各国において同時的に発生しつつある。

 グローバリズムが国境を越えて展開されていたのだから、民衆の怒りもまた一国に留まらずグローバルなのである。

 アメリカにおけるトランプ現象も、そうした民衆反乱の1つの現れである。

 またフランスの極右政党・国民戦線は、フランスでもEU離脱の可否を問う国民投票を呼びかけて、急速に支持率を高めている。

 フランスのみならず、昨年来シリア難民による国内犯罪が激増しているドイツやオランダやイタリアなどの国々でも、EU離脱を望む世論が高まっている。

 ヨーロッパ情勢は、いよいよEU解体に向けて坂を転がり始めた感がある。

 過去の歴史を見れば、大量の難民や移民が動く時には、世界史的な大転換が発生している。

 4世紀にフン族(=匈奴)に追われたゲルマン民族が、東方から中部ヨーロッパに大量に流入し、やがてローマ帝国の解体に繋がった。

 また17世紀には、英国王と英国国教会に追われた清教徒がアメリカ大陸に流入し、やがて先住民族であるネイティブ・アメリカンの文化や共同体を壊滅させた。

 そして現代では、イスラム国に追われたシリア難民が、中東からヨーロッパに大量流入して、EUを解体しつつある。

 歴史は、形を変えながらも、確実に繰り返しているようである。

 当面の経済については、通貨ユーロが、長期的な下落局面に入った事は間違いない。一時的な戻りを入れつつ、最終的には「ユーロ廃止」にまで到る下降トレンドを形成することになるだろう。

 必然的に、円は長期的に買われ続ける通貨となり、日経平均株価は下落の一途を辿るようになる。

 再び大不況が訪れる。これまで3年半にわたるアベノミクスの成果は全て吹き飛ばされるだろう。

 今や文明の転換期である。

 来たるべき時代は、欲望追求主義の弱肉強食の経済社会ではなく、質素倹約と清貧の倫理に基づいた「助け合い」と「譲り合い」の人間社会を目指したいものである。












《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




 定款(PDFファイル)




《連絡先

一般財団法人
人権財団本部
〒100-0014
東京都千代田区永田町2-9-6
十全ビル 306号
TEL: 03-5501-3413