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《 寄 稿 》

新文明構想

 大和一言主 著

『 新文明構想 』 目次













新 文 明 構 想

第 15 回

貧困撲滅と経済活性化



    



ベーシック・インカムによる貧困の撲滅

 すでに述べたように、スイス国民の圧倒的多数がベーシック・インカムを拒絶した大きな理由は、「財源不足」および「現行年金制度の方が得」といったものでしたが、政府通貨=減価通貨制度であれば、いずれの問題も克服できます。

 政府資産の250兆円の準備金を担保にして年間250兆円相当分の政府通貨=減価通貨を供給する場合、財源は必要ありません。

 強いて言うならば、「担保」が「財源」ということです。

 では、ベーシック・インカムに必要な予算はどのくらいになるでしょうか。

 かりに1人あたり月に10万円相当の支給があれば、最低限の生活は可能と言えるでしょう。

 日本の総人口を1億3千万人とし、毎月10万円分を12カ月にわたり全国民に支給するとすれば、年間に156兆円分が必要になります。

 平成28年度の国家予算が96.7兆円ですから、この156兆円をそのまま上乗せすれば、252.7兆円になります。

 ただし実際には、一般歳出の内、人件費や公共事業費等を削減することになりますから、250兆円分の枠内で十分収まります。

「1人あたり毎月一律10万ポイント」のベーシック・インカムだとすると、年齢や収入による差別は一切排除されますから、1世帯4人家族の場合は月に40万円分の支給ということになります。これだけあれば十分ではないでしょうか。

 ちなみに、ベーシック・インカムを実行するにあたり、必ずしも既存の年金制度を廃止する必要はありません。

 もし「現行年金制度の方が得」であるならば、それを続けても良いのです。65歳以上は、年金とベーシック・インカムの二重取りでも構いません。

 ただし、年金もベーシック・インカムもいずれの受け取り方法も減価通貨になります。

 また、生活保護費は全廃で良いでしょう。



経済流通の活性化

 減価通貨によるベーシック・インカム支給の最大目的は、経済流通を活性化させることにあります。

 経済とは人体の血液のようなものですから、血流が止まってしまうと死に至ります。

 デフレや不況というのは、血流が滞った状態ですから、極めて深刻な事態です。

 そこで、減価通貨を社会全体に流通させることによって、血液が全身に環流するように、国家経済全体を蘇生させることが出来るようになります。

 前にも述べたように、既存の通貨を廃止するのではなく、あくまで「並行通貨」として減価通貨を併用している制度ですが、人々は減価通貨から先に使うようになるでしょう。

 減価通貨は、受け取った後は出来るだけ早く使ってしまった方が得で、長く持っていればいるほど損になってしまう、と考える人が多くなるため、人々の消費行動は極めて活発になります。

 もちろん、受け取った減価通貨を使わずに持ち続けているのも個人の自由です。減価通貨は、1年後に自然消滅するだけであり、決してマイナスが発生することはありませんから、そのまま放置しておいても構いません。

 ちなみに、ベーシックインカムを受け取るのみで、そのまま手をつけずに放置した場合は、政府通貨口座の残高は、約60万ポイントがずっと残されているような状態になります。

 なぜならば、年間にトータル120万ポイントが次々と支給されますが、古いポイントから順に消滅していきますから、60万ポイント分だけが常に残高として存在し続けることになるわけです。

 生物でいうと、これが「定常系」の状態です。

 ここまで来れば、お金は「空気」のような存在へと転化し、万人が常にお金の心配をする必要の無い時代が到来します。






    


























































































《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




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