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《 寄 稿 》

新文明構想

 大和一言主 著

『 新文明構想 』 目次













新 文 明 構 想

第 5 回

組織の自己増殖について



    



パーキンソンの法則が成立する理由

「組織は自己増殖する」という現象を研究し、法則として定式化したのが、英国の歴史学者シリル・N・パーキンソンでした。

 パーキンソンは、英国の海軍省を分析した結果、組織の仕事量は同じであっても、「役人の数は年間に5〜6%の割合で増え続ける」という組織の増殖作用を明らかにしました。

 パーキンソンによれば、「仕事の量は、完遂の為に与えられた時間を全て満たすまで膨張する」、あるいは「支出の額は収入の額に達するまで膨張する」といった法則により、組織は仕事が無くてもスタッフの数が一方的に増加し続けるということです。

 与えられた予算を全額使い切ろうとするのが組織の性質であるならば、予算が年々増額している限り、仕事量が増えなくても、スタッフ要員を増やして人件費で予算を消化するようになるのは当然の帰結です。

 パーキンソンが活動していた1950年代の英国は、年間5〜6%もの経済成長率があり、国家予算も年々増加していた時代ですから、官僚組織のスタッフの数も、必然的に毎年5〜6%程度は増殖することになります。

「組織が自己増殖する」という法則は、英国のみならず、経済が右肩上がりに成長していた当時の世界全体において普遍的に見られた現象でした。

 しかしながら、大前提が逆になれば、パーキンソンの法則とは正反対の結果になります。

 例えば、我が国の民間企業の多くは、1990年代のバブル崩壊以降、大幅に売上利益を落とした結果、リストラという名の人員削減を推進しました。

 減少し続ける予算で遣り繰りしなければならない為、国内のあらゆる企業において、肥大化した組織のスリム化やダウンサイジングが為され、全国的に「組織の自己縮小」という現象が起こりました。

 このように、予算総額が減少すれば、必ず組織は縮小に向かいます。

「組織は自己増殖する」というパーキンソンの法則は、予算が右肩上がりに増加し続ける前提がある場合にのみ成り立つ部分的法則です。

 あくまでも、この地球上において自己増殖を続ける特異な存在は、「通貨の複利システム」だけなのです。

 そのため、「通貨の複利システム」によって巨大化した国際金融業およびその傘下にある石油メジャーや軍産複合体などの組織は、際限なく自己増殖を遂げていくことになります。



官僚が増税に全力を挙げる理由

 我が国の官僚が、国民経済の事情を一切考慮することなく、常に増税政策を強行しようとするのは、決して国家の為でも国民の為でもなく、官僚組織の自己防衛の為に他なりません。

 それは、予算の減少が組織の縮小に直結する事を、官僚達はよく知っているからです。

 官僚の常套句として、「年金などの社会保障費が不足しているから(増税せざるを得ない)」などと言い訳を吹聴していますが、消費税の増税や大量の国債発行をして、それでも社会保障費が足りないという事はあり得ません。

 実際には社会保障費が足りないのではなく、役人の人件費が多過ぎるのです。

 本当に資金不足であれば、民間企業のように、まずはスタッフの人員削減から始めるべきであります。

 税収が少ないのであれば、役人を少なくすれば良いだけです。

 経済が右肩下がりのマイナス成長時代においては、中央省庁が率先して組織の縮小化と予算の削減をしていかなければ、財政破綻は時間の問題であります。

 官僚制改革は、政治家にとって最も困難と言われるテーマでありますが、最も重要かつ緊急を要する政治課題なのです。






    





































《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




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