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《 寄 稿 》

新文明構想

 大和一言主 著

『 新文明構想 』 目次













新 文 明 構 想

第 4 回

通貨は人類社会の癌細胞



    



社会を食い尽くす通貨と利子のシステム

 社会もまた有機的生命体と考えるならば、人体と同様で、自然法則に合致した社会は持続し、そうでない社会は崩壊に向かいます。

 すでに述べたように、縄文社会は万物が減価する社会でした。

 万物が減価する社会の中に、通貨という「減価しない財」が持ち込まれた事がきっかけとなり、縄文社会は崩壊していきました。

 あたかも、フナや鯉が泳いでいる池や川に外来種のブラックバスが投入されたことによって、池や川の生態系が破壊されたのと同様です。

 社会における「減価しない通貨」は、人体における「癌細胞」のようなもので、利子のシステムは、癌細胞の大量増殖をもたらしました。

 かくして1万年間も矛盾なく持続してきた縄文社会の生態系は、通貨と利子のシステムによって食い尽くされてしまいました。

 もともと通貨は、商品交換に便利であったことから流通したものです。

 いわば経済社会の「血液」のようなもので、うまく循環するならばそれに越した事はなかったのです。

 しかしながら、通貨に利子や複利のシステムが加わることによって、通貨の総供給量を上回る債務総額が発生するようになりました。

 当然のことながら、債務の全てを実際に弁済するには、マクロレベルでは発行済みの通貨だけでは足りなくなるわけですから、地球を食い潰してゆく結果になります。

 21世紀の現在、全世界は「癌細胞」に完全に支配されるに至っています。

 このままでは、人類社会に残された道は、死滅しかありません。



社会の癌細胞を駆逐し、持続可能社会の実現へ

 こうした人類文明の危機を回避し、再び持続可能な社会に戻す方法が、1つだけあります。

 それは通貨を、時間の経過と共に減価し、最終的に自然消滅する存在にすることです。

 万物が減価し消滅する物質世界においては、通貨も同様に減価し消滅させなければなりません。

 つまり、長期保存や蓄積が不可能な通貨にするということです。分かり易く言うと、「肉や魚のような通貨」ということになります。

 市場においては全ての交換財が時間の経過と共に劣化し価値を減らしているにも関わらず、通貨だけが価値を減らさず、利子によって時間が経てば経つほど価値を増やしている為に、世の中のあらゆる事がおかしくなってしまうのです。

 「減価する通貨」は、供給された瞬間から徐々に価値が減っていき、例えば半年から1年をかけて消滅するようにします。

 「減価する通貨」は、長く持っていればいるほど、ますます損をするだけなので、誰もが「早く使ってしまいたい」と思うようになります。

 人々は「減価する通貨」を早く手放したい為に、他のどの通貨よりも優先的に使用するようになり、やがて既存の通貨は淘汰されてゆくことになります。

 こうした通貨であれば、循環経済の「血液」としての本来あるべき役割を十分に果たす事が可能になります。

 人間の血液の細胞も、古いものから死滅しては入れ替わります。死滅せずに増殖し続けるのは癌細胞だけです。

 また、誰も長く持ちたがらない通貨を、わざわざ溜め込んで貸そうという高利貸しのような事業も成り立たなくなります。

 このように、物質世界の自然法則に則った「減価する通貨」を流通させることによって、やがて社会の富は自動的に配分され、格差や階級は解消してゆくことになります。

 社会の癌細胞である現行の通貨システムを駆逐するには、この方法しかあり得ません。

 「減価する通貨」が、どのような形態で、誰がどうやって発行するのか、如何に利用するかなどの、具体的な方法については、後に詳しく述べます。






    



《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




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